本章ではそれらを集大成するかたちで一つの理想的な沿岸航行援助情報システムのモデルを構築してみたい。沿岸海域のモデル地区として船舶交通が輻輳し、漁業及び海洋レジャーが活発で、気象条件の厳しい海域とされる伊豆半島下田沖海域を想定した。このモデルは必要とされるすべての機能を一般論として集積したものであり、下田沖沿岸航行援助情報センターを具体的に設計するものではないことをお断りしておく。また、このシステムは理想的といえども現状の技術開発レベルや通信基盤の整備、法的整備の制約を考慮し、現在あるいは数年後に実現可能である見通しのあるものとして構築したものである。